介護では、しばしば利用者の姿勢が問題となります。
ベッドや車椅子においてなどです。
特に寝たきりの状態では、床ずれなどの問題がありますので、少しでも体に良い姿勢を保持する必要があります。
そのことは、介護職員やご家族もよく理解されていますので、ベッドには様々なクッション類が置いている場合は珍しくありません。
しかし、本当に体に良いクッションとはどのようなものなのでしょうか?

怖い廃用症候群とは

介護をしていると、いつも床ずれやはく離などの皮膚の問題には頭を悩ませます。
特に、床ずれは、一度できていしまうと大きな問題になります。
お尻の床ずれでは、いつもお尻をが痛くなりますので、座ることや仰向けに寝ることが困難になります。
そのため、いつも横向きや半横向き姿勢しかとれないなどということ少なくありません。

 

また、たとえ寝たきりの人でも、座る時間が制限されると大きな問題があります。
それは、廃用症候群という障害になりやすいことです。
いつも、寝た姿勢ばかりでは、血流を脳に送ることに必要な心臓の機能が低下します。
そうなると、体力全体に低下が生じるのです。

床ずれを作る体圧の集中

そもそも、床ずれはなぜ出来るのでしょうか?
床ずれの好発部位は、骨盤の背面の仙骨という場所です。
仙骨に床ずれが生じやすいことには、人間特有の理由があります。
それは、重心が骨盤にあることです。
あなたも、試してみてください。

 

鉛筆やボールペンを指の上に乗せて、やじろべえのようにバランスをとってみてください。
どこか、一箇所にバランスが保てるポイントがあります。
多くの場合は、全体の長さのほぼ中間の位置です。
そこが、重心の位置です。

 

これを人間に例えると、ほぼ骨盤の仙骨の位置となります。
重心とは、じっとしていても全体重がかかる場所です。
つまり、体重が60kgであれば、60kgの力が常にその位置にはかかるのです。
寝たきりになると、長く仰向けになりますので、常時仙骨には力が加わり続けます。
それにより、皮膚の血行が悪くなり、壊死がおきて床ずれになるのです。

床ずれを防ぐクッションとは

床ずれを予防するには、しばしばクッションが使われます。
これは、寝た姿勢で浮き上がった場所にクッションを入れることで、体圧を分散させる目的です。体圧とは、なんでしょうか?

 

もし可能なら、あなたも硬めの床やベッドの上に仰向けになってみてください。
明らかに体が床に当たっている部分と浮いている部分があることにお気づきでしょう。
もっとも、体圧が集中しているのは、はやり骨盤の仙骨です。
それから、背中や後頭部、かかとなども感じるでしょう。

 

一方で、浮いている部分もお分かりですね。
もっとも浮いているのは、腰椎の部分です。
骨盤の少し頭よりの部分ですね。
通常では、腰椎と床の間に手が1つ分は入るでしょう。
2つ分以上入る人も多く存在します。

 

つまり、もっとも体圧がかかる仙骨のそばにある腰椎が完全に浮いているわけですから、仙骨には一層のストレスがかかることになります。
これが、仙骨部に床ずれができやすい最大の理由なのです。
そのため、床ずれを予防する介護用のクッションは、この体圧の分散を考えて作られているのです。

介護に必要な床ずれ予防クッションの実際

写真は、床ずれ予防に使われるクッションです。
モルテン社製のミントという商品です。
サッカーボールなども作っているモルテンですが、介護用品も多く手がけています。
このミントの特徴は、

  • 安楽な姿勢保持に最適
  • へたらず長持ち
  • 洗濯しても形が崩れず長持ち
  • 耳障りな音がなく快適
  • むれにくく通気性と熱ごもりがしにく
  • 洗浄、水切り、乾燥時間のはやさ

などとされています。
様々なタイプがありますが、今回は3種類をご紹介しましょう。

①は円背姿勢に対するものです。
円背になると、背中の一部が出っ張ることに対して、周囲は浮き上がります。
このような状態では、背中の真ん中の胸椎に床ずれができます。
そうならないように、周囲を支えて体圧が胸椎にのみかからないようにするのです。
介護施設では、平均年齢が90歳代というところも多いでしょう。
中には、脳卒中などにより要介護状態となった方もおられますが、それ以前の問題として加齢により背骨が曲がっている方も多いものです。
そのような方々を仰向けに寝かせるには、このようなクッションが必要なのです。

 

②は、ジャバラのような形をしています。
これを膝の間に挟み込んで使います。
股関節が閉じてくると、膝の内側に床ずれができます。
また、そのままで股関節が拘縮してしまうと、オムツ交換すらできなくなります。
事前に、このジャバラのようなクッションをベッドに敷いておき、中央を持ち上げて、膝の間に敷くのです。体型や股関節の閉じ具体によっても加減ができるというものです。

 

③は大きめのクッションです。
写真では、両膝の下に入れています。
高齢者では、膝が完全に伸びない人が多くいます。
これに対して、膝の下にこのようなクッションを入れることで、体圧を分散します。
また、膝の下にこのような大きなクッションを入れると、自然に股関節が曲がりやすくなります。股関節が曲がると、腰椎の前わんが緩むため、仙骨の床ずれを防ぐことが容易となるのです。

 

私も仕事で、このミントクッションをいつも使っています。
最大の利点は、とにかく軽いことです。
一般に、クッションは大きくなると重くなりがちです。
これは、介護者が扱いにくいだけでなく、高齢者にも負担がかかることになります。
誤って、体の上に置いてしまうと、それで怪我をする危険すらあります。
ミントクッションでは、そのような心配がないばかりか、床ずれ予防効果も高いため、とても便利だと思います。

介護のクッションのまとめ

1,「怖い廃用症候群とは」のまとめ
床ずれは、寝たきりを助長して、怖い廃用症候群をさらに強める危険性があります。
まずは、床ずれを作らないことが大事です。

2,「床ずれを作る体圧の集中」のまとめ
仙骨に床ずれができやすいのは、人間特有の重心の位置が理由です。
体圧を分散させることが必要です。

3,「床ずれを防ぐクッションとは」のまとめ
人間の体は、凸凹しています。
つまり、浮いているところ体圧が集中するところの差が激しいのです。
クッションで、浮いているところを支えるようにします。

4,「介護に必要な床ずれ予防クッションの実際」まとめ
モルテン社製のミントは、大変使いやすいものです。
床ずれ予防の効果には、定評があります。



投稿者プロフィール

ケアマネージャー健治
ケアマネージャー健治
私は特別養護老人ホームにて介護福祉士として10年勤務した後、現在は居宅介護支援事業所のケアマネとして勤続4年となります。
そのため、特別養護老人ホームと在宅介護についての経験があります。
今までの経験をもとに介護という仕事を紹介してゆこうと思います。

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