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最近は、病院の在院日数が短くなっていますので、リハビリの最中でも介護施設や在宅での介護に移行する場合が多くあります。
歩く訓練は、先ず起立訓練からはじめ、つぎに平行棒での歩行訓練、その次が杖歩行の訓練と段階を踏みます。
でも、ようやく平行棒から杖に移行するかどうかで退院ということもあります。
そのような時は、まだ1本杖では歩行が不安定です。
そんな時に便利なのが4点杖です。
介護に必要な4点杖とは
杖には、多くの種類があります。
歩行器まで含めると、歩行の補助具には実に多くの種類があります。
4点杖とは、4つの足がついた杖です。
実は、3つの足がついたものがありますので、まとめて多点杖という呼び方もします。
想像できるように、1本杖ではまだ不安定という場合に用いられます。
リハビリの過程では、平行棒歩行が可能になった後で、1本杖までの移行期に利用されることもありますが、中には4点杖で回復が止まる場合もあります。
そのような場合は、日常の介護においても4点杖などの多点杖を使い続けることになります。
1本杖?4点杖?
1本杖が難しい場合の特徴は、腕に体重をかけすぎてしまい、杖がぶれてしまうことです。
1本杖は、ある程度は脚で体重を支えることが可能で、わずかな支えのみを杖で補うような場合には有効です。
しかし、まだ体重を腕で支えなければいけないレベルだと、1本杖の使用は難しくなります。
そこで、4点杖などの多点杖が重宝とされるのです。
4点杖のメリット
4点杖は、1本杖よりも地面に接地した時の安定性が高いものです。
そのため、少々杖で体重を支えるようにして力を入れたとしても、不安定になることが少ないのです。
イメージとしては、持ち運び式の手すりを持ちながら歩くような感じです。
4点杖の選び方
持ち手の高さは、1本杖と同じです。
正式には、股関節の大転子という部分に合わせることが基本です。
これは、室内の手すりの高さとも共通です。
ただ、大転子の場所は専門家でなければ分からないものです。
購入やレンタルをした際に、福祉用具業者やリハビリの担当者に合わせてもらった方が無難です。
もう一つの目安は、肘を30度程度曲げた時の高さに合わせるという考え方もあります。
こちらの方は分りやすいので、ぜひ参考にしてください。
標準的なものであれば、4点の間隔には大きな違いはありません。
ただ、使ってみて不安定に感じる場合は、より間隔の広いものを選ぶべきでしょう。
3点か4点かの選択についても、試してみて判断してください。
持ち手の素材によって、握りやすさが多少違います。
実際に握ってみて試してから決めましょう。
4点杖は、1本杖に比べるとどうしても重くなる傾向にあります。
歩く時には、杖をつく時間と杖を持ち運ぶ時間の両方があります。
少しでも重いと感じたら、軽めのものを試してみてください。
杖の素材は金属が主流ですが、グラスファイバー製などもあります。
しっかりと確認をしてください。
相談しましょう
杖一つと言っても、選ぶには専門的知識が必要です。
最近は、ネットでも購入が可能ですが、なるべく福祉用具の業者の担当者から直接的に購入やレンタルをしましょう。
福祉用具の業者には専門の相談員がいますので、分からないことは必ず尋ねてください。
ケアマネージャーや担当のリハビリスタッフでも良いでしょう。
4点杖の注意点
4点杖は、介護保険の福祉用具貸与の対象です。
つまり、レンタルが可能です。
1本杖の場合は、自分で買わなければなりませんが、4点杖や松葉杖などはレンタルの対象とされています。
介護保健の認定を受けている場合は、慌てて自費で買わないようにしてください。
4点杖は、4点が等しく地面に接地する場合に使いやすくなります。
そうでない場合は、むしろ1本杖よりも不安定になります。
室内で使う場合もありますが、4点杖は接地部分にある程度の広さが必要です。
場所により、足元が狭くて4点が同時に接地できない環境では使用しない方がよいでしょう。
介助・介護方法も大事
4点杖で歩行が自立されている方もいますが、まだ介助が必要な場合も多くあります。
そのため、介護者は、適切な介助方法を理解する必要があります。
基本は、介護者は杖を持っていない側に立ち、脇の下や体を支えることになります。
ただ、障害や杖のつき方には、かなりの個人差があります。
正式には、リハビリの担当者などに確認した方が安全です。
4点杖のまとめ
1,「介護に必要な4点杖とは」のまとめ
4点杖などの多点杖には、多くのメリットがあります。
歩行訓練中で、まだ1人では歩けない場合などに使用を検討しましょう。
2,「4点杖の選び方」のまとめ
4点杖は、握りの高さや重さなどのチェック項目があります。
分からない場合は、必ず専門家に相談しましょう。
3,「4点杖の注意点」のまとめ
4点杖は、介護保険のレンタル対象です。
また、メリット以外にもディメリットもありますので事前の確認が必要です。
投稿者プロフィール

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私は特別養護老人ホームにて介護福祉士として10年勤務した後、現在は居宅介護支援事業所のケアマネとして勤続4年となります。
そのため、特別養護老人ホームと在宅介護についての経験があります。
今までの経験をもとに介護という仕事を紹介してゆこうと思います。
ケアマネージャー健治のプロフィール
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