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作業療法士が教える寝たきり防止の護用ベッド

介護 ベッド

どうも!、私は医療・介護の世界にて長年働いており、近年の介護事情にも精通している作業療法士の田中です。
病院や介護施設の部屋には、必ずベッドがありますね。
また、私が利用者さんのお宅を訪問していると、寝室やベッドを拝見する機会があります。
要介護者の方であれば、介護保険からのレンタル品を使用されている場合も多いですが、中には元気なころに使っていたベッドをそのまま使用中という場合もあります。
使い慣れたベッドには良い面もありますが、そもそも介護には不向きという可能性もあります。
不適切なベッド選びは、寝たきりを招く危険性がありますよ。
今回は、ベッドについて考えてみましょう。
しっかり読んで、いざという時に備えてくださいね。

最適な介護用ベッドの条件

介護 ベッド

普段、介護やリハビリの現場にいる私ですが、少し前に短期間の入院をしたことがあります。
その時に感じたのは、一般の病院のベッドはなんて狭いのだろうということでした。
その時は、身体の動きが不自由なわけではなく、数日間だけの入院でしたのでそんなに困ることはありませんでしたが、あらためて病院や介護施設のベッドには広さが必要なことを感じたのでした。

では、介護用ベッドに必要な条件を挙げてみましょう。

ベッドの幅は100cm

病院や施設で使われているベッドは、幅が90cm程度のシングルサイズのものが多く、中にはより狭いセミシングルタイプものもあると思います。
しかし、寝返りをうつには最低でも100cm幅のベッドスペースが必要なのです。
それには訳があります。
健常者が狭い幅でも寝返りが上手にうてるのは、寝返りながらも無意識のうちに身体をずらすことでベッドの端に寄り過ぎないようにしているからです。
しかし、高齢者や要介護者の場合は、身体の柔軟性が低下しているために、そのような無意識的な運動ができないのです。
そのため、実際にベッドからの転落の事故というのもあります。

また、力が弱っているお年寄りの寝返りは、ベッド柵を引っ張ったり、両膝を立てて行うことが多いのです。
横を向いた時に、曲げた脚の長さ分や腕の長さ分のスペースが必要となります。
そのため、ベッド幅は最低でも100cm、理想的は120cm程度が望ましいのです。

介護用ベッドの高さ

ベッドの高さは、高すぎると足が床に着かなくて姿勢が不安定です。
一方、低すぎると立ち上がり動作が困難となります。
ベッドの高さは、マットなどを含めて下腿の高さが基準です。
正確には腓骨小頭(ひこつしょうとう)の高さです。
少し分かりにくいので、具体的に説明しましょう。
個々の身長にもよりますが、高齢者の下腿の長さの平均は38cm程度です。
そこから推測すると、適切なベッドの高さは40~45cm程度になると思います。
ほぼ、椅子と一緒ですね。
見た目では、座った時に膝の角度がほぼ直角になっていれば良いと思います。

さらにポイントがあります。
必ず、ベッドの下に空間があるタイプを選ぶことです。

これは、ポータブルトイレや車椅子にも共通することです。
家具調のベッドや下に収納スペースが付いたタイプのものでは、この空間がありません。
要介護状態になった時に、以前から使用していたベッドを使い続ける際にはこの点に注意が必要です。

人が無理なく立ち上がるには、かかとを膝よりも後ろに引く必要があります。
身体の重心の下に足底をもってくるためです。
この生理的な運動が妨げられると、立ち上がりや立ち上がりの介助は大変な重労働となってしまうのです。

介護用ベッドの付属品

マット

介護用ベッドのマットは柔らかすぎてはいけません。
寝返りや起き上がり、立ち上がり動作の妨げになるからです。
立って歩けるぐらいの硬さが理想です。

ただし、床ずれの危険性が高かったり、すでに床ずれができているような場合は別です。
そのような場合は、体圧分散性の高いマットを選ぶことがあります。

マットの素材のウレタンフォームには、低反発素材のものがありますので、それを用いた低反発マットが良いと思います。
また、完全な寝たきりの場合は、エアマットを使う場合もあります。
ただ、体圧分散性の高いマットやエアマットでは、寝返りや起き上がりなどの動作が難しくなる可能性が高くなります。
そのため、ついつい臥床時間が長くなり、寝たきり状態にしないような配慮が必要です。

手すり

ベッドには、転落防止用の柵が付いていますが、それらは手すりとしては強度が不十分です。
そこで、乗り移りなどの際に必要な場合は、別に手すりを取り付けることができます。
手すりにもいろいろな種類があります。

ベッドの付属品として取り付けるタイプ、床に置いて固定するタイプ、床から天井まで固定するタイプなどがあります。
使い勝手や環境に合わせて選ぶと良いでしょう。

介護用ベッドのまとめ

1,「介護用ベッドの幅」のまとめ
介護用ベッドの幅は100cm以上が理想です。
狭すぎると寝たきりを助長します。

2,「介護用ベッドの高さ」のめとめ
介護用ベッドの高さは、マットなども含めて40~45cmです。
高すぎると姿勢が不安定で、低すぎると立ち上がりが難しくなります。
ベッドの下に空間があるタイプを選びましょう。

3,「介護用ベッドの付属品」のまとめ
マットや手すりにもさまざまなタイプがあります。
使い勝手や環境に合わせて選びましょう。

介護用のベッドやマット、手すりなどは介護保険制度により利用できます。
要介護の認定を受けている場合は、担当のケアマネジャーさんなどに相談すると良いですね。
福祉用具貸与として、1~2割の金額負担でレンタルが可能です。



投稿者プロフィール

作業療法士の田中です。
作業療法士の田中です。
30年以上に渡り作業療法士という仕事をやっています。
現在は老人保健施設のリハビリの管理職として勤務をしています。
介護の資格は作業療法士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターを取得しています。
こちらでは介護のシステムや介護機器についての記事を書いてゆきます。