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介護の現場の入所者への虐待の実態

どうも!、私は医療・介護の世界にて長年働いており、近年の介護事情にも精通している作業療法士の田中です。
介護は素晴らしい仕事ですが、難しい面もありますね。
マスコミ報道では、人手不足や高齢者虐待がしばしば話題になります。
時には、悲しい事件にまで至るケースも……
せっかく、人の役に立てる介護の仕事を選んだのに、不勉強や忙しさから無意識のうちに虐待を行っているとしたらどうでしょう?
今日は、少しシリアスな内容ですが、高齢者虐待について考えてみましょう。

高齢者虐待の関する法律とは?

高齢者虐待防止についての考え方は、法律で定められています。
法律では、主に2つの目的が謳われています。
それは、高齢者の虐待からの保護と、家族などの養護者への支援についてです。
つまり、厳しい家族介護の現状を考えて、高齢者本人だけではなく家族も守るための法律という位置付けなのです。

また、介護施設の職員についても書かれています。
職員は、高齢者虐待を早期に発見すると同時に、自分自身が虐待者にならないことが重要だと述べられています。
虐待を発見した場合は、速やかに管轄の市町村などに報告する義務があるのです。

一般的にイメージされる高齢者虐待とは、どのようなものでしょうか?
マスコミに報道されるようなものでしょうか?
残念ながら、一部は事件にまで発展する痛ましいものもあることが事実です。
大切なのは、そのような事件性のある高齢者虐待の背景には、そこまで酷くはないグレーゾーンの虐待が沢山潜んでいるということです。
高齢者虐待防止に関する法律では、そのような目立たない虐待の内容を規定して、高齢者虐待の小さな芽を摘んでゆくことを目標としています。

5つの高齢者虐待

高齢者虐待は以下の5つに分類されています。
重要なことは、これらの内容が意図的であっても非意図的であっても高齢者虐待に当たるということです。
もし、無意識のうちに虐待者になっているとしたら、それはとても怖いことです。
最期まで、この記事をしっかりと読んで理解をしましょう。

身体的虐待

身体的虐待とは、身体に傷やアザ、痛みを与える暴力的行為や、外部との接触を意図的、継続的に遮断するような行為です。
適正な手続きを踏まない身体拘束もこれに該当します。
身体拘束とは、ベッドや車椅子に紐やベルトで縛りつけたり、ミトンなどを装着して身体の自由を制限する行為です。
よく病院などでは、「点滴を引き抜くから」という理由で実施されていることを目にする機会がありますが、基本的には行ってはいけない行為です。
どうしてもやむを得ない場合のみ、定められた規定通りに行う必要があります。

心理的虐待

心理的虐待とは、脅しや侮辱などの言葉や態度、無視や嫌がらせなどにより精神的苦痛を与えることです。
利用者さんを「○○ちゃん」などと呼ぶことも、これに該当します。
たとえ、悪気はなくても適切ではありません。

放棄放任

放棄放任はネグレクトとも呼びます。
必要な医療や介護を怠ったり、高齢者の要望や行動を制限させるようなことです。
医療が必要なのに受診させない、処方通りに薬や治療食を提供しない、副作用が生じているのに放置するなどが含まれます。

性的虐待

本人との間に合意されていない、あらゆる性的行為が含まれます。

経済的虐待

勝手に本人の財産や金銭を使用したり、本人に使わせないようにするなどです。
よく聞く事として、年金の振込み日のみに家族が面会に来て、施設に預けてあるお金を持ち出すなどの悲しい話があります。

高齢者虐待を防ぐには

国の調査では、高齢者虐待の加害者で最も多いのは、施設等の職員となっています。
次いで、家族、元職員、施設管理者などの順です。
施設職員や家族にとっては、いつ、誰が加害者になってもおかしくない状況と言えます。
高齢者虐待を防ぐにはどのようにすれば良いのでしょうか?

高齢者虐待についてよく理解する

何が虐待で、何が虐待に相当しないのかを良く理解する必要があります。
勉強不足で虐待者になっているとしたら、恥ずかしいことでしょう。
意図的であっても、意図的でなくても虐待に相当することを忘れないようにしましょう。

身体拘束は原則的には禁止

身体拘束は、緊急やむを得ない場合のみしかしてはいけません。
行う場合にも、適切な手続きが必要です。

ケアの質を高めましょう

不適切なケアが結果的に高齢者虐待に相当する場合が多いのです。
日々のケアを見つめ直しましょう。

介護者のストレスケアを考えましょう

介護は、ストレスの多い仕事です。
どんなに性格が良い人物でも、様々なストレスにより虐待者になる可能性があります。
個人でストレスを抱え込まずに、家族や職場で分かち合えるようにしましょう。

行政機関の活用

家庭介護で行き詰った場合は、市町村の地域包括ケアセンターなどに相談をしましょう。

組織体制の見直し

職場での高齢者虐待防止は、組織の体制や運営理念から考える必要があります。
経営者や管理職の方々には、特に配慮が必要です。

介護の現場の虐待のまとめ

1,「高齢者虐待の関する法律とは?」のまとめ
高齢者虐待防止には、定められた法律があります。
高齢者自身の保護と家族などへの支援が謳われています。

2,「5つの高齢者虐待」のまとめ
高齢者虐待は、
①身体的虐待
②心理的虐待
③放棄放任
④性的虐待
⑤経済的虐待
に分類されます。

3,「高齢者虐待を防ぐには」のまとめ
高齢者虐待を防ぐには、先ず、自分自身が虐待者にならないことが重要です。
意識や知識を高め、ケアの質の向上をはかりましょう。
また、組織の管理体制なども重要なポイントです。



投稿者プロフィール

作業療法士の田中です。
作業療法士の田中です。
30年以上に渡り作業療法士という仕事をやっています。
現在は老人保健施設のリハビリの管理職として勤務をしています。
介護の資格は作業療法士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターを取得しています。
こちらでは介護のシステムや介護機器についての記事を書いてゆきます。