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介護におけるヒヤリハットと自己報告書について

介護施設のヒヤリハット

どうも!、私は医療・介護の世界にて長年働いており、近年の介護事情にも精通している作業療法士の田中です。
介護施設では、ヒヤリハットが結構ありますよね。
利用者さんの介護をしていて危ないことがあり、ヒヤリとしたハットしたというやつです。
介護現場に関わらず、今の世の中はヒヤリハットだらけかもしれませんね。
政治家や芸能人では、浮気や不倫がバレて叩かれることが目に付きます。
それで失職なんてこともありえます。
また、一般人もネットでうっかりしたことを発言しようものなら炎上なんてことも…
でも、真面目な話、介護現場ではヒヤリハット対策が重要になります。
今日は、そんな介護のヒヤリハットについてです。

介護現場のヒヤリハットとは?

ヒヤリハットってよく聞く言葉ですが、本当のところ何?という意見も多いでしょう。
介護現場でのお悩み相談においても、ヒヤリハットや事故の区別がつかない!という書き込みも多いようです。

ヒヤリハットとは、元々は労働安全の分野で使われていたものですが、その後、医療や介護の現場にも広がりました。
有名な「ハインリッヒの法則」というものを基盤にしています。

これは、1件の重大な事故や災害の背景には、29件の軽微な事故や災害があり、さらにその背景には300件のヒヤリハットが存在するという考え方です。
たしかに、医療や介護分野においても、近年はマスコミによる重大な事件事故の報告が絶えません。
医療では、患者の取り違え問題や手術ミスなどでしょうか。
介護関係でも利用者さんが転倒して骨折などということが、実は珍しくありません。

ヒヤリハットや事故とは、医療現場ではインシデント、アクシデントと呼ばれることも多いようです。
一般に医療現場では、事故レベルの基準を、レベル0からレベル5までに分類しています。
レベル3とレベル4は、さらにaとbに細分化されていますので、全部で8段階に分類されます。

加えて、それぞれの医療機関ごとに追加項目を加えている場合も多いと思います。
ここでいうヒヤリハットやインシデントとは、レベル0からレベル3a相当を指します。
レベル3aとは、何かのトラブルがあったけど、簡単な処置や治療で済むような内容です。
具体的には、「利用者さんが転倒しましたが、ぶつけた部分が少し腫れたのでシップを貼りました」という程度のものです。
それより軽いものは、レベル2、それよりも重いものはレベル3bとなります。
レベル3bとは、「転倒の結果、骨折して入院が必要」というような内容のものです。
よって、レベル3bからレベル5はアクシデントや事故ということになります。
ちなみにレベル4は永続的な障害が残るようなもので、レベル5は死亡に至るという内容のものです。
多くの介護施設では、これらの医療現場での基準を応用している場合が多いと思います。

介護現場で多いヒヤリハットとは?

では、介護現場ではどのような内容が多いのでしょうか?
介護現場の利用者は、医療現場の患者に比べると、病状的には安定している方が大半です。
よって、ヒヤリハットなどにおいても、即生命に関わる内容というものは少ないかもしれません。
しかし、高齢であること自体が、ある意味では健康上不利なわけですから、決して油断することはできません。

私の経験上、介護現場でのヒヤリハットや事故で最も多いのは、転倒転落や外傷だと思います。
転倒転落とは、言葉の通り、ベッドや椅子からずり落ちたり、歩いていて転ぶというようなものです。
高齢者の入所施設やデイサービスなどでは、限られた人員で多くの利用者の見守りを行うことになりますので、いくら気をつけていても転倒や転落を無くすことは無理と思われます。
また、最近では自立を支援する介護が求められますので、いくら転倒リスクがあるからといっても、立たせたり歩かせたりをしないという訳にはゆきません。
元々、自立支援やリハビリテーションとは、利用者にとって難しい事を求めるような姿勢ですから、リスクをゼロにすることはできないでしょう。
大切なのは、そのようなリスクも含めて利用者やご家族の同意を得るということではないでしょうか。

介護現場のヒヤリハットを防ぐには

自立を支援する事とリスクマネジメントを両立させることは、決して易しいことではありません。
しかし、介護現場ではそれを実行することが求められます。
具体的にどのような取り組みが必要なのでしょうか?

ヒヤリハット報告書・事故報告書の提出を義務付ける

現在では、ヒヤリハットが起きた場合に報告書を提出することは、もはや当然の事と思われます。
しかし、ヒヤリハットと事故の基準が曖昧になっていると、現場職員はどのように報告書を書くべきかが分からない場合があります。
先ず、施設としての基準を明確にする必要がありますね。
そのような役割の中心は、一般的に施設の管理者や上司、安全事故の責任者、リスクマネージャーなどになります。
また、介護事業所においては、重大な事故の場合は、必ず行政や介護保険の保険者などに報告する義務があります。
もし、ヒヤリハットや事故の基準が不十分だと感じられる場合は、一度施設全体で話し合う必要があるでしょう。

ヒヤリハットや事故の内容を、職員が共有する

いくらヒヤリハット報告書を作成しても、その内容を職員全員が共有しなければ意味がありません。
部署内や職場内にて情報が共有されるようにしましょう。
具体的には、報告書を回覧制にしたり、施設内の共有ネットーワーク上で閲覧できるようにすることです。

しっかりと、ヒヤリハットの基準を決めて、報告書の内容が周知されるようにすると良いでしょう。

介護施設のヒヤリハットのまとめ

1,「介護現場のヒヤリハットとは?」のまとめ
介護現場でもヒヤリハットは決して少なくありません。
大きな事故の背景には、多数のヒヤリハットがあります。

2,「介護現場で多いヒヤリハットとは?」のまとめ
介護現場で多いヒヤリハットは、転倒転落や外傷です。
自立を支援しつつ、リスクをマネジメントする必要があります。

3,「介護現場のヒヤリハットを防ぐには」のまとめ
介護現場でのヒヤリハット対策は、報告書の提出と情報の共有です。



投稿者プロフィール

作業療法士の田中です。
作業療法士の田中です。
30年以上に渡り作業療法士という仕事をやっています。
現在は老人保健施設のリハビリの管理職として勤務をしています。
介護の資格は作業療法士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターを取得しています。
こちらでは介護のシステムや介護機器についての記事を書いてゆきます。