介護の世界でもロボット化が進んでいます。

介護 ロボット
どうも!私は医療・介護の世界にて長年働いており、近年の介護事情にも精通している作業療法士の田中です。
皆さんは、最近話題の介護ロボットという言葉を聞いたことがありますか?
実は、この介護ロボットについては、現在、国も補助金を出すなどの支援をして普及させようとしています。
いろいろなタイプがありますが、比較的有名なものに、パワー(筋力)をアシストするスーツタイプのものがありますね。
マスコミやCMでも、しばしば取り上げられているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
今回は、このスーツ型介護ロボットについて、私の経験を交えてご紹介します。

介護ロボットにはどのような種類があるの?

介護 ロボット
ロボットと言っても、全てが人型や動物型ではありません。
また、どこまでが機器でどこからがロボットという定義も、現在のところ明確ではありません。
介護ロボット全体の発展は、まだまだこれからという感じでしょう。
ただ、すでに現場で使われて、一定の評価を受けているものもあります。

介護ロボットの分類は、以下の通りです。

介護支援型

移乗、入浴、排泄などの介護業務を支援するロボットです。
利用者さんを抱えたりするような、力仕事を代わりに行ってくれるものが多いようです。
また、大手ベッドメーカーが開発したものには、睡眠パターンを見守ることで、夜間の巡回の手間を減らすようなものもあります。呼吸の異常や離床したことも分かるため、急変時にはすぐに駆けつけられるというすぐれものです。

自立支援型

歩行、リハビリ、食事、読書などの介護される側の自立を支援するロボットです。
歩行などのリハビリ訓練をアシストするものが多いようですね。某有名自動車メーカーも頑張っていますよね。

コニュニケーション・セキュリティ型

癒しを与えたり、見守りをするロボットです。
動物の形をしたものが目立ちますね。
可愛くて癒しになりますし、話し相手もしてくれます。
認知症の介護には有効だという意見も多いようです。

スーツ型介護ロボットとは

パワーアシスト機能を有する、スーツ型介護ロボットは、介護支援型と自立支援型の両方にあります。
全国の病院や介護施設でも、徐々に導入され始めています。
いくつかの種類がありますが、私は最も普及しているものを使用したことがあります。
一体、どのようなものなのでしょうか?

このタイプの特徴は、筋肉が収縮する際の生体信号をセンサーで感知して、足りない筋力をアシストすることです。
ひとことで言うと簡単に聞こえますが、とても高度なテクノロジーだと思います。

身体の部位別だと、全身用、下肢用(両脚・片脚)、肘用、膝用、腰用などがあります。
全身用は、まだ開発段階とのことですが、重作業や災害対策を想定しているようです。
テレビCMで見たことのある、あれですね。ロボット戦士というか、イメージ通りのロボットです。
下肢用、肘用、膝用などは既に医療介護の現場でも使用されています。
写真の下肢用は、歩行支援ロボットのようなものです。
私も、自分の利用者さんへ試したことがあります。
マスコミ報道などでは、高齢や障害により歩けなくなった方々が、これを着けると歩けるようになるというセンセーショナルな紹介のされかたをしていたかと思います。
ただ、現時点では、そこまで簡単なものではなく、障害の程度や体型などとの関係を見ながらの試行錯誤の段階が必要と言えます。
しかし、これにより回復への希望を持ったという方々は多いのではないでしょうか?

肘用や膝用は、どちらかというとリハビリの訓練機器として使われる場合が多いのではないかと思います。
腰用は、介護用と作業用があるようです。
開発がより進むと、将来的には介護現場においても普及するのではないでしょうか。
介護現場には腰痛に苦しんでいる家族や職員が多い状況です。
車椅子などへの乗り移り介助の時が、特につらいですね。
介護ロボットの普及により、介護現場から少しでも腰痛の悩みが少なくなることを願いたいです。

スーツ型介護ロボットを使ってみて

私は、実際に両下肢用のスーツ型介護ロボットを使ったことがあります。
ただし、私自身は装着できませんでした。
その理由は、身長により3タイプがありますが、試したものが私の身長に合わなかったためです。よって、試したのは私の利用者様数名でした。

使ってみた感想は、ひとことで言うと、とても興味深いものでした。
ただ、先ほども述べた通り、病気などで歩けなくなった方が、これを着けると直ちに歩けるようになるというものではありませんでした。
また、関節が拘縮(こうしゅく)といって固まった状態にあるとあまり有効ではないと思います。
その他、高齢により背骨が円背になっているような方は、バランスが悪いために使いにくいと感じました。

有効と思われるのは、脳卒中後の半身麻痺などで、動きが少しあるような方です。
また、指示に従って力を入れることなどが必要ですから、理解力が求められます。
原理は、さきほどの説明の通り、センサーが筋肉の収縮をとらえて、足りない力をアシストするものです。
リハビリの訓練士が、動きに合わせて介助運動をするようなものですが、これを、立ったり歩いたりしながらもできるのです。
ですから、訓練効果は表れやすく、外した後もしばらくは動きの良い状態が続く方もおられました。
現時点では、介護を楽にするというよりは、リハビリ訓練や自立支援の要素が強い印象です。

欠点というわけではありませんが、少し大変な面もあります。
スーツといっても機械ですから、重量があり着心地(?)もけっして良くはありません。
重量も3kgほどありますので、着脱には最低2名が必要です。
また、実施中もセンサーの確認やアシスト量の調整が必要となりますので、見守りなどは常に必要と思われます。
また、私が試したタイプは、WIFIによりパソコンと連動させるものでしたので、電波の範囲内での使用が求められました。
ただ、徐々に技術が進歩しており、最近はさらに使い勝手が良くなったと聞いています。
また、医療用として病院での保険算定も可能になったようです。
今後は、さらに改良が進み、身近な機器になることでしょう。

スーツ型介護ロボットのまとめ

1.「介護ロボットにはどのような種類があるの?」のまとめ
介護ロボットには、介護支援型、自立支援型、コミュニケーション・セキュリティ型があります。それぞれの特徴を理解しましょう。

2.「スーツ型介護ロボットとは」のまとめ
スーツ型介護ロボットは、すでに全国の病院や介護施設に導入されつつあります。
全身用、下肢用(両脚・片脚)、肘用、膝用、腰用などがあり、今後の発展が期待できます。

3.「スーツ型介護ロボットを使ってみて」のまとめ
スーツ型ロボットは、リハビリ訓練や自立支援の要素が強いです。
今後の開発次第では、様々な応用が可能となるでしょう。



投稿者プロフィール

作業療法士の田中です。
作業療法士の田中です。
30年以上に渡り作業療法士という仕事をやっています。
現在は老人保健施設のリハビリの管理職として勤務をしています。
介護の資格は作業療法士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターを取得しています。
こちらでは介護のシステムや介護機器についての記事を書いてゆきます。