どうも!、私は医療・介護の世界にて長年働いており、近年の介護事情にも精通している作業療法士の田中です。
皆さんは、介護認定の仕組みについてご存知でしょうか?
日本国民であれば、65歳になると全ての人に介護保険被保険者証が送られてきます。
でも、それで介護保険のサービスが受けられる訳ではありません。
介護保険サービスを受給するには、要介護認定を受けて、要介護や要支援に認定される必要があります。
今回は、要介護認定についてご説明しましょう。

要介護認定とは

介護保険サービスを利用するためには、事前に要介護認定を受けて、要支援や要介護などの介護の手間に応じた7段階の区分に判定される必要があります。
これは、一次判定と呼ばれる、訪問調査の結果に基づくコンピューターでの判定と、保健・医療・福祉の学識経験者からなる介護認定審査会による二次判定の2つのステップにより審査されます。
もし、判定結果が、この7段階の判定に該当しない自立の状態になった場合は、非該当となりサービスを受けることはできません。

介護保険のサービスは、7段階の要介護度別に利用可能な限度額が決まります。
それぞれに利用限度の単位数が定められており、地域によって多少異なりますが、概ねこの単位数に10をかけたものが利用可能限度額となります。
各介護度別の利用可能単位数は以下の通りです。

要支援1 5,003単位
要支援2 10,473単位
要介護1 16,692単位
要介護2 19,616単位
要介護3 26,931単位
要介護4 30,806単位
要介護5 36,065単位

要介護認定の流れ

要介護認定の申請の窓口は、お住まいの市区町村です。
本人や家族が窓口まで出向くことができない場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所へ代行を依頼することも可能です。
先ずは、電話やwebサイトにて確認をされると良いでしょう。
申請から要介護認定までの流れは、以下の通りです。

申請

申請書類、介護保険被保険者証などの提出。

訪問調査の日程調整

介護保険認定調査員が、自宅などへ訪問して聞き取り調査を行います。

一次判定

訪問調査の結果と主治医の意見書などを基に、コンピューターが自動的に7段階の判定を
下します。

二次判定

一次判定の結果と主治医の意見書を基に、介護認定審査会が最終的な判定を下します。

認定結果は、申請から30日以内に郵送にて届きます。
結果は、要支援1〜要介護5までの7段階もしくは、自立(非該当)となります。

判定の基準は、以下の通りです。

身体機能・起居動作

麻痺や拘縮の状態、起き上がりなどの起居動作についてです。

生活機能

食事、排泄、更衣動作などの生活機能についてです。

認知機能

意志の伝達、短期記憶、場所などの見当識についてです。

精神行動障害

認知症などの影響による、社会生活上の不適応な行為の有無についてです。

社会生活への適応

薬の内服や、金銭管理、買い物などの社会生活を送る上での適応能力についてです。

主に、これらの①〜⑤の結果と主治医の意見書を基にして審査が行われます。

要介護認定は、一次判定と二次判定の結果により、要介護認定等基準時間という形で計算された結果が、それぞれの要介護度に反映します。
この、要介護認定等基準時間とは、介護にかかる手間を時間として表すものですが、必ずしも実際の介護に必要な時間を指すものではなく、あくまで判定上の目安です。
また、病名や病気の重症度、年齢などが直接的に反映される訳ではありません。

要介護認定の有効期間・判定結果に不満の場合

要介護認定の有効期間は、新規の場合は、原則6ヶ月間とされていますが、介護認定審査会の判断により、3〜12ヶ月間までで変更される場合があります。
2回目以降の更新についても、原則は12ヶ月間ですが、24ヶ月間までに延長される場合が多くあります。
更新前には、改めて訪問調査が実施されることになります。

介護保険では、介護度別に設定された支給限度額内にてサービスを受けることが可能ですが、実際には、受けたいサービスの量と支給限度額が合わない場合もあります。
仮に、判定結果に不満が生じた場合などは、不服申し立てや区分変更申請を行うことが可能です。
実際に、区分変更申請はしばしば行われています。
この場合も、新規申請と同じように、申請から30日以内に結果が判明します。
区分変更申請と言っても、特別なことが行われる訳ではなく、申し出に応じて改めて審査を行うというものです。
よって、必ずしも希望通りの判定結果になるわけではありません。
しかし、介護認定審査会では、区分変更の必要性については、十分検討が行われます。
その際には、調査結果や主治医意見書の特記事項が重要になります。
区分変更申請に際しては、その理由を明確に調査員や主治医に伝えることが必要と言えるでしょう。

要介護認定のまとめ

1.「要介護認定とは」のまとめ
介護保険サービスを利用するには、事前に要介護認定を受けて、要支援や要介護などに判定される必要があります。

2.「要介護認定の流れ」のまとめ
要介護認定は、主に訪問調査の結果に基づく一次判定と、介護保険審査会による二次判定により行われ、申請から30日以内に判定結果が通知されます。

3.「要介護認定の有効期間」のまとめ
有効期間は、介護保険審査会の判断により短縮や延長される場合があります。
判定結果に不満がある場合は、不服申立てや区分変更申請を行うことができます。



投稿者プロフィール

作業療法士の田中です。
作業療法士の田中です。
30年以上に渡り作業療法士という仕事をやっています。
現在は老人保健施設のリハビリの管理職として勤務をしています。
介護の資格は作業療法士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターを取得しています。
こちらでは介護のシステムや介護機器についての記事を書いてゆきます。